2019-08-16から1日間の記事一覧

山陰沖の歌の語り(16)

第2章、水辺の歌語り 第8節、歌語りの作者(2ー8)。 人麻呂の愛と死の物語は、披露の先々で、人々の涙を誘った。その歌語りは、人々の興趣を掻き立てたから、さらに繰り返しての、その披露が求められた。さらに同種の物語が、人々の求めに応じ、彼の口…

山陰沖の歌の語り(15)

第2章、水辺の歌語り 第7節、愛する人の死 悲恋歌の最たるものは、恋人や配偶者の死を悼む歌、挽歌であろう。人麻呂は自らの妻の死を悼む「泣血哀慟歌」を歌っている。人目を忍んで通った妻が、もみぢ葉のように散っていったと、そのような便りを受け、泣…

山陰沖の歌の語り(13)

第2章、水辺の歌語り 第5節、労働歌から恋愛歌へ(2ー5) 人麻呂は、その歌才をもって労働歌を歌い語った。働く中で、さらに次々と、愛の歌、恋の歌を歌い語った。 長谷(はつせ)の 斎槻(ゆづき)が下に 我が隠せる妻 茜(あかね)さし 照れる月夜に …

山陰沖の歌の語り(12)

第2章、水辺の歌語り 第4節、唱和歌から旋頭歌へ(2ー4) 歌垣で歌われた掛け合いの歌、それは問答歌であり唱和歌である。人麻呂は、歌垣の宴で歌われた唱和歌の伝統を承け、 引き継ぐ形で旋頭歌を歌う。 住吉(すみのえ)の 小田(おだ)を刈らす子 奴…